サバ日記とは
サバニの日記、略してサバ日記。
2020年の春、珊瑚舎スコーレという学校で、沖縄の伝統的な木造船である「サバニ」の修復作業に関わりました。(気になる方はこちらのリンクへサバニ再生中!プロジェクト – 沖縄、那覇市のフリースクール珊瑚舎スコーレ)
しかし修復というものは一時的なもので、サバニはその後も管理、修理していくものです。
FRPと異なり、そのまま野晒しにしておけば、あっという間に自然に還ります。
木造船と関わるおもしろさや楽しさ、そして沢山の気付きがあったので、それらを含め、ここでは、2020年修復後の、サバニのその後を記録していこうと思います。
7日目
体調を悪くしたり、盆休みだったり用事があったりで随分間があいてしまった。
サバニは日焼けしていた。
表面をやすって修理箇所を探していく。作業中に、海から上がってきたびしょぬれの人が話しかけてくれた。竹をつめていた隙間を指差し、「昔はこういう隙間にヤシの繊維をつめていたよ」。
人目につく場所ということもあり、サバニを扱っていると色んな人が声をかけてくれて、とてもうれしい。
参加者:ふみ
海へでよう
今日も潜った。
サバニを直しはじめてから
なぜか海へとでたくなる。
ただ泳ぎたいわけではなく
漁にでる、カラダヒトツ
銛だけをもって。
サバニが伝えている
「ワタシを海につれてけ」と。
サバニがまた海と出会える日まで、
潜りつづけよ。
M
5日目
こいつは電動やすり。150番か180番くらいで舟を磨いていく。塗料が塗ってあるため、どこが悪くなっているか分かりづらい。ので、磨く。
磨く時に出る粉は、ボンドとこねてパテにする時に使うので取っておく。
以前は鋸屑を使ったのだが荒すぎたようだ。なので、もっと細かいペーパーの粉を今回は使う。
磨いていくと、段々と本来の杉の木目が見えてきた。と、同時に腐った箇所や隙間、虫食いも見えてきた。
何の虫が食べたのだろう。
今日は磨いて終わり。夕方の気持ちいい時間、海に浸かった。波がないのでただ浮かぶだけで気持ちがいい。夏雲がのんびり流れて、だんだんピンク色に染まっていく。今日もいい時間でした。
参加者:ふみ、もとたけさん
死んだ木
「木が死んだの」
死んだ木、朽ちた木、腐った木、廃材
ではなく、
木が死んだの。
生き物は土に還る。もちろん、
木も腐り土へと還る。
いま修繕中のサバニは木の内部が腐り、土になりかけている。
それは腐った木だ。もう土へと足を一歩踏み入れている。
それはそれでいいと思う。
ただ、木は土へと還るまでにもっともっと長い時間を
生きることができる。人の手で、大切に、材としての
生き方、活き方を与えることができる。
何十年、何百年と、木が死んだの。となる時まで。
いつか、”サバニが死んだの” を見てみたいなー。
M